楽器紹介


 ここではブルーグラスで使用される、主な楽器を紹介します!


ギター【Guitar】

まずは、皆さんお馴染みのギターから。ギターには大きく分けて、エレキ・ギターとアコースティック・ギターの二種類があるのですが、ブルーグラスでは主にアコースティック・ギターが使われます。中でも、マーティン(Martin)社製のギターが好んで使われます。

ギターのリズムが狂うとバンド全体のリズムが崩れると言ってもいいほど、ブルーグラスでは重要な役割を担っています。


ベース【Bass】

 つづきまして、これも皆さんお馴染みのベースです。ベースにも、エレキ・ベースとウッド・ベースの二種類あり、ブルーグラスではウッド・ベースの方が好んで使われます。というのも、ブルーグラスはもともと電子楽器を使わずに演奏されるのが普通で、その昔「オズボーン・ブラザーズ」というバンドが初めて電子楽器を導入した楽曲(「Rocky Top」など)を発表した時は、大きな物議を交わしたそうです。

ちなみに、ブルーグラスで使われる楽器の中で一番大きいため、持ち運びには苦労します。


マンドリン【Mandolin】

 さて、いよいよここからはブルーグラスならではの楽器を紹介していきましょう。まずはマンドリンから!

マンドリンには、クラシック・マンドリンとフラット・マンドリンの二種類があり、ブルーグラスではフラット・マンドリンが使われます。さらに、フラット・マンドリンの中にも、AタイプとFタイプの二種類あり、よく使われるのはFタイプのマンドリンです。クラシック・マンドリンは、ヤシの実を半分に切ったような形をしているのですが、フラット・マンドリンは、名前の通り平らで、鋭く力強い音が出ます。かと思うと、繊細で柔らかい音も出すことができ、とても表情豊かな楽器です。大きさも小柄で、もち運びにも最適です。


バンジョー【Banjo】

 さぁ!いよいよ主役の登場です。ブルーグラスの代名詞とでも言うべき、バンジョーです!!

大きく分けて、4弦バンジョーと5弦バンジョーとがあり、ブルーグラスでは5弦バンジョーが使われます。音色はとても陽気で明るい音がします。ブルーグラスで使われる楽器の中で一番うるさいです。(失礼?)

 ブルーグラスのバンジョーを説明する上でアール・スクラッグスという人物は欠かせません! スクラッグスはブルーグラス特有のスリー・フィンガー奏法を確立させた人で、親指・人差指・中指の3本の指をそれぞれ独立させて、5本の弦を非常に速いスピードで弾きます。当時、彼の流れるような指の回りは多くのリスナーに感銘を与え、ブルーグラスが大衆に広く伝わることに貢献しました。

 これは、説明するよりも実際の演奏を聴いてもらった方が分かりやすいと思うので、是非、彼の代表作「Foggy Mountain Breakdown」を聴いてみてください!!


ドブロ 【Dobro】(リゾネーター・ギター【Resonator guitar】)

 さて主役が登場したところで、ここからは脇役の紹介です(失礼?)。まずはドブロから! 正式名称は、リゾネーター・ギター。しかしある時期、ドブロ・ギター社製以外のリゾネーター・ギターがあまり生産されなかった事から、通称ドブロと呼ばれています。形はギターとほぼ同じで、音量を増大させるための、「リゾネーター」と呼ばれる、円形の薄いアルミニウム製の共鳴板がブリッジの下に取り付けられています。そのため、金属的な特徴のある音色を醸しだします。

 ブルーグラス以外にも、ハワイアン音楽やブルースなど幅広いジャンルの音楽で使用されています。この楽器の特徴は何といっても、スライドバーと呼ばれる金属の棒を使ったスライド奏法です。 


フィドル【Fiddle】

 いよいよ最後の楽器はフィドルです。楽器の構造はヴァイオリンとほぼ一緒ですが、「ヴァイオリンは歌う、しかしフィドルは踊る」、「フィドルにビールをこぼしてもだれも泣くものはいない」などと言われるように、その役割は全く違います。もともとはアイリッシュ音楽などでよく使われていた楽器で、それが移民と同時にアメリカのアパラチア地方へと伝わり、現在に至ります。ブルーグラスの父であるビル・モンローが「ブルーグラスにフィドルは欠かせない」という言葉を残しているように、ブルーグラスを演奏するうえで欠かせない楽器です。といいつつも、習得するには難しい楽器でもあります…。